住宅ローン 固定金利 変動金利を比較

住宅ローンを固定金利か変動金利で組むかは難しいところでしょう。変動金利にしても固定金利にしても世の中の経済の動向や予想で危険性やリスクが生じます。新規はもちろんのこと借り換えや乗換えの選択を誤まらないようにしたいものです。ここでは両者を比較してみます。
スポンサードリンク

住宅ローンのおすすめは固定金利か変動金利か

住宅購入というとローンを組むのが一般的です。 当然毎月何十年にもわたりローンを支払っていくのですが、その金利は馬鹿になりません。

金利しだいで今後の生活設計や人生が変わることもあるでしょう。現在、住宅ローンを変動金利で返済してきた人は多いと思います。

長らく続いた低金利ですが、最近は万一の日本国債の暴落に伴う金利上昇を懸念する声も多くなってきています。 変動金利は固定金利に換えるべきなのでしょうか。

スポンサードリンク

住宅ローンの動向と予想

変動金利型住宅ローンを選択した人が固定金利に借り換えや乗換えをした方が良いのではと心配しているようです。ギリシャやイタリアの例を見る間でもなく日本でも対岸の火事とは軽視できないという人がいるからでしょう。

現時点で政府債務がDGPの220%にも達する日本の10年国債の利回りが1%とイタリアの数分の一というのはおかしいという議論がなされたり、今後も増え続けるであろう借金を国債で補おうとすれば、満期で償還されない危険性を感じて買い手がなくなり、国債の価格は下落して将来的な償還能力リスクに対する上乗せ金利が付加されて長期金利が上昇されると警鐘を鳴らす人もいます。

長期金利の上昇は、住宅ローンの金利上昇につながるのです。 問題は、国債の暴落の危険性があるかないかといえるでしょう。

見方はいろいろですが、このままデフレや円高に加えて増税などが加速していけばいずれは・・・というのが大方の予想です。

2010年度の資料(住宅金融支援機構)では、新規貸し出しで約6割が変動金利を選択し、都市銀行や信託銀行では9割以上が変動金利の住宅ローンを選んでいます。

スポンサードリンク

住宅ローン変動金利のリスクと固定金利のリスク

住宅ローン変動金利のリスクと固定金利のリスクを考える前に、金利はどうやって決められているのでしょうか。

住宅ローンの変動金利は、短期プライムレート(金融機関が企業に融資をするときのベースになる金利)を基本に決められます。

3年や5年といった固定金利期間選択型の場合には、円金利スワップレート(デイバティブ金利の一種)がベースになります。

全期間固定金利型(住宅金融支援機構と民間金融機関が共同で提供するフラット35など)は、10年もの国債の金利がベースとなります。

住宅ローンの金利の動向と予想を考えるとバブル崩壊後変動金利は下がり続け、固定金利から変動金利へと借り換えをする人が増えました。

その後、政府はゼロ金利解除を実施し短期プライムレートも上昇して、住宅ローンの金利が上昇すると変動金利へのリスクを感じ、固定金利への借り換えを考える人が増えました。

その後は、ITバブルの崩壊とともに政府の量的緩和で短期プライムレートは元に戻ります。

さらにその後は、量的緩和の解除やゼロ金利政策の解除を経て利上げに踏み切るもリ−マンショックで利下げから追加利下げへと至っています。

変動型の基準金利は落ち着きましたが、固定期間選択型の基準金利は比較して高めになっているのです。

この理由は、変動金利は日銀の政策金利が見直されていないと上げることができないのですが固定期間選択型の金利は銀行の考えで上げることができるためです。

しかし、変動金利に危険を感じて、高めの金利であるにもかかわらず固定期間選択型に乗り換えて後悔しているる人がいるのも事実です。

住宅ローンは固定金利を選ぶべきか変動金利を選ぶべきか

このようは背景を考えてみると住宅ローンは固定金利を選ぶべきか変動金利を選ぶべきか迷うことになります。

日本経済の今後の動向を予測して、金利の動きを予想するのは素人では難しいでしょう。

変動金利をおすすすめという人は、通常は固定金利よりも変動金利のほうがその時点では低い場合が多いので住宅ローンの残債を予定よりも早く返せる自身があれば変動金利が低いうちに繰り上げ返済をしていき早めにローンを終わらせてしまうことができる人です。

繰り上げ返済手数料が無料で中には1円からでも繰り上げ返済可能という銀行もありますので検討する価値はありそうです。

ただし、ローン控除など利用していると控除が減る場合もあるので注意が必要です。

繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減型がありますが、住宅ローンの合計返済額を比べると期間短縮型が圧倒的に返済総額は少なくなります。

ここで注意することは、繰上げ返済に集中するのは子供の成長に合わせて行うことでしょう。 お子さんが小さいときは、費用もかからずローン返済に集中できますが成長とともに特に教育費は負担がかかってきます。

私立に進学となればかなりの金額になります。 教育ローンもありますが、住宅ローンお利息に比べれば高金利といえるでしょう。

住宅ローンの繰り上げ返済に明け暮れて教育ローンを借りるのでは、本末転倒というものです。

固定金利がおすすめという人は、フラット35など現時点では低金利といえますから、将来の生活設計をより安定したものしたいという考えならば固定を選ぶべきだという意見もあります。

とりあえず変動金利を選択して金利上昇と主に固定金利に借り換えればよいと考えそうですが、おすすまではありません。

理由は、変動金利が上がるころには固定金利が上がっているからです。 簡単に言うと固定金利は変動金利が上がるという見込みで動いてしまうのでときすでに遅しということになるのです。

さらに、他行のローンに借り換えるときには住宅ローンの組みなおしとなるので、諸費用(登記関連費用・保証料)がずいぶんとかかります。(通常で50万から100万円くらい)

住宅ローンの残債が1000万円以上で返済期間の残りが10年以上で金利差が0.5%以上ある場合を除き借り換えるメリットはなさそうです。

※この文章は、2012年5月を持って調査したもので今後の経済の動向により住宅ローンの動き(金利など)は変わるかも知れません。